第716回 日曜発明学校(2018/10/14)

午前は、ホルドナマーケット代表の和田美香様でした。演題を「閃きをどの様に商品化したのか? 〜子どもの不便から生まれたレインコート収納ポーチ「かっぱっぱ」。発明から商品化・卸販売までの道のり〜 」としてご講演をいただきました。ママから一転、発明品のビジネスに挑戦真っ只中、横浜からお越しいただきました。

お話しの前半は、多くの激戦を経験してこられたプレゼンテーション資料をアレンジしてのお話しでした。まず出で立ちが何ともすばらしい、「かっぱっぱ」装備のリュックを背負ってのご説明です。商品への愛情が感じられます。また、洗練され見栄えのする資料は、統計的な分析も入れられるなど、シナリオを含め、誠にすばらしいものでした。流石、Cheer最優秀賞のご披露でした。
発明に至った経緯から、知財ミックス戦略、販売・営業展開を、本当にわかりやすく教えていただきました。課題や対策、新しいレイングッズとして新小学生の1%を目標としていることなども、お話しいただきました。さらに、今後は大人用や防災用としても展開したいと伺いました。背にはリュックですが、自由な両手は全く噺家さんのような身振りもいれていただき、「かっぱっぱ」の今までの道のりを、楽しくしっかりとお話しいただきました。(ここで一休み。)
後半は起業・商品化のご経験談でした。前半のプレゼンにはない話、ここだけの話などの貴重な時間です。話のトーンも変えていただきました。実話の小声でのお話しなど含め、前半にも増して、流れるようなお話をいただきました。
発明活動をする前の自分がどのように変化したか、そのキーワードが「できることから始める」ということであることがわかりました。簡単そうですが、中々できることではありません。私も大いに反省です。発想から発明品に至るお話しでは、まず、その時点を「わからないことがわからない状態」という、誠によくわかる表現をされました。同じ心境の人も多いと思います。その事態を、「できることから・・」ということでハンドメイド商品として展開。様々なフェアに積極参加され、人脈の形成もしつつ、3年前にはトレンドたまごにも出演されたことで脚光を浴びたとのことです。創業支援セミナーでの勉強、県や市の相談機関を大いに活用されたことなど、「何と言っても人とのご縁」であること、大変勉強になります。また、ご苦労話として、海外製造委託での不良率の話、ネット販売での試練などもあったとのことも教えていただきました。
大きくまとめれば、発明・知財活動と製造販売を行うビジネスは別モノであることを、実経験からお話しをいただけました。今、まさに進化真っ只中の「かっぱっぱ」・和田様ならではのお話しであり、本当に勉強になりました。
終わりにいただきました4つの言葉、二つは既に書きましたので、残り二つ。「頭は柔らかく、芯は強く」「常にアンテナを張る」を合わせ、4つは記憶したいと思います。

睡眠時間も少ないご多忙の中、わざわざ東研にお越しいただき、本当にありがとうございました。和田様、ホルドナマーケット様の益々のご発展と、「かっぱっぱ」が日本の、世界の新レインクグッズとなることを、大いに期待しています。

第715回 日曜発明学校(2018/ 9/ 9)

午前は、経済産業省中部経済産業局の地域経済部産業技術課、知的財産室室長の正(しょう) 知晃様に、「知的財産権と産業財産権制度の概要」としてご講演をいただきました。
日本の知財大元締めである特許庁の活動を含め、私たちが知っておくべき知的財産権制度について、丁寧にご説明をいただきました。以下、ご講演の要点とします。

    
正様は審査官の経歴がおありとのこと、確か2,000名と言われましたか?、現在の日本では数多くの審査官により、知的財産権審査がされているというわけです。
概要説明の「はじめに」として「コカコーラ社『いろはす』のペットボトル」のお話しでした。両手で簡単にしぼれるボトルです。環境問題を解決すべく、容量を小さくし廃棄するための発明品です。この発明品は、特許権、意匠権、商標権を押さえることで、権利侵害を保護しているとのことです。大きな企業が行う知財活動は、中々真似のできるものではありませんが、複数の知財権利を組み合わせること(知財ミックス)での効果を教えていただきました。
次に特許制度の概要です。まず「発明」と「特許」の基本についてですが、特許制度の目的が「発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もって産業の発達に寄与すること」であること、私たちもこの文面は正確に覚えておきたいものです。特許権の取得要件は、「産業上利用できる」「公序良俗に反しない」、「新規性」「進歩性」「先願主義」などがある。特に「進歩性」については、容易にできるものは×(認められない)、ということです。椅子に付いている転がるキャスター(車輪)をまね、机にキャスターを取り付ける。この発明品は「進歩性」において、容易にできると判断されるため拒絶になるというお話しでした。「発明」については、モノの発明と、モノを生産する発明に分かれることや、医療手術や個人的に利用するだけのモノは発明に該当しないとのことでした。
また、特許を受けることのできる人、職務発明についての概要や、出願の流れなどについても、その概要と要点を教えていただきました。
話の中、「少し考えてみよう」コーナーがありました。出願時に配慮することとして、権利範囲が広げること、というお話しです。事例としては鉛筆です。丸い鉛筆を六角鉛筆にする発明をしたとしましょう。権利範囲を広くするには、断面が六角だけでなく、「・・・断面の少なくとも一部が直線である鉛筆・・・」などとしておくとよいとのことです。
特許制度の後に、実用新案制度のお話しもいただきました。技術評価書があること、日本の実績では、特許件数320,000件に対し、実用新案6,500件と少ない事などの説明がありました。意匠制度については、多くの事例をあげていただきました。部分意匠、関連意匠、秘密意匠などの制度もあり、使い方により効果のあることがわかりました。商標制度についても、一宮モーニングという名称も地域団体商標に登録されているなど、実例をあげ、やさしく丁寧にお話しをいただきました。
本来であれば多くの時間を要する知財制度の概要説明です。その内容を、限られた時間に配分いただきました。聞き入ってしまうお話しぶりであり、知財制度知識の重要性を再認識しました。正様、本当にありがとうございました。

第714回 日曜発明学校(2018/ 8/12)

午前は、名古屋大学減災連携研究センターの倉田和巳准教授様に、演題を「耐震対策をすすめるための教材開発と活用 ~教育啓発現場の裏話~」としてご講演をいただきました。
終始、笑顔溢れ、裏話もキッパリと言い切る口調でのお話しであり、内容はよく理解できました。多くの資料や教材セットもお持ちいただき、また「発明」に合わせた内容も入れていただき、本当にありがとございました。以下、ご講演の要点とします。

   

始めに、「30年以内に大地震が来ると思う人?」アンケートです。3名のみが「来る」と挙手。続いて「1週間以上の備蓄のある方?」に対しては2名の挙手。このやや低めの防災意識の中、最も重要なことは何かを教えていただきました。
大災害の際、「名古屋は対策が遅れる地域!?」というかなり推測の入った点。意識を高める為のご説明ですが、震災対応の順番としては、静岡・東京・大阪の後に「名古屋もあったわ」という程度と思っておきましょう、という分りやすく具体的なお話しでした。またトリアージのお話し。災害時ケガをした人に対し、その処置優先を分類する「カラー表示」のことです。「緑」はほっといてもよし、「黒」は見捨てられるなど。
即ち、防災で一番大切なことは、「家を壊さない。ケガをしない」とのこと。ここをしっかり覚えておき、日々の生活をすることが重要であるとことを、まず教えていただきました。
その後は、教材「ぶるる」のご説明です。その進化過程などを、現物や映像などで説明いただきました。進化の上では、その不具合・課題があり、それを克服するために、次々と教材を開発されているとのことでした。「手回しぶるる」から「電動ぶるる」、その後の「台車ぶるる」の運用の手間を少なくするため、今回実演の「ピノキオぶるる」(↑左)、パラパラ漫画教材や「自走式ぶるる」、誰でも家で実験できる「紙ぶるる」など、開発過程をわかりやすく、楽しくご説明いただきました。すばらしい力作揃いで、参った次第です。
その後、耐震基準についてもお話しがありました。現在の耐震基準が震度「6弱」と「6強」の間に設定してあること、シロアリ被害があれば耐震ゼロということ。インパクトの強いお話しとしては、名駅界隈は軟弱地盤の最たるところであり、また人はそこを選んで高層ビルを立てている、何とも組合せの悪いこと、これは不動産価値と安全性が逆方向であるというお話しをいただきました。心すべきことです。
(↑右 軟弱地盤+高層ビル、大きく揺れる実験)
加えて、最近の技術動向に合わせたAIやVR、プロジェクションマッピングへの取り組みなどのお話しもありました。
最後に、日本唯一の大学運営防災施設、減災館についてのお話しがありました。4F建て六千屯の建物自体が実験装置であること、これを実現しているとのことです。
倉田様には、お忙しい中ご講演をいただきまして、本当にありがとうございました。私たちの防災意識を「家を壊さない、ケガをしない」ことを自分で考えることが大切。かなり後押しをしていただきました。貴センター様の益々のご活躍と「ぶるる」進化を心から期待しております。

第713回 日曜発明学校(2018/ 7/8)

午前は、日本宇宙少年団の各務原分団長であり、夢小屋という創作拠点の代表である片岡鉄雄様から、演題を「世の中に役に立たない物創りの楽しさ(笑)」としてご講演をいただきました。ペットボトルの水ロケットを中心としたお話しでした。
最初に自己紹介があり、好きな「物創り」を貫かれている経歴をご披露いただきました。小さい頃から勉強が嫌いであり、結果、走ったのがスポーツではなく物創りだったこと。例えば小4の時には、ゴム動力の飛行機で、福井県大会などで優勝されていたとのことです。少年時代から、半端な物創りではなかったということです。次は18歳。何と名前だけ書いて、あの素晴らしい川崎重工に入社されたとのことです。「名前だけで合格」、聞いたことがありません。また、その川重でも物創り大好きを通されていたようです。防災ヘリコプターの開発現場で整備士としてご活躍されていたのですが、何と英語が全くできない(英検8級)にも関わらず、オーストラリアのシドニーに異動になったとのことです。あの川重の中でも、技術力が半端でなかった証拠です。

  
仕事の傍ら、ペットボトルを使った水ロケットの創作にも力を注がれました。多くのマスコミ出場など、社会を明るくする活動です。映像を見ながら説明いただきました。
時速200km/hを越えるスピードが出ることや、距離を競う大会では、惜しくもOBとはなったものの多段式が成功し、291.37Mの幻の記録を作ったこと。また圧巻はトリビア、「人は何本の水ロケットで飛ぶ事が出来るか」に挑み、場所は種子島、背景がロケット発射台として、「ペットボトル水ロケット100本で2m30cmも人が飛ぶ」のトリビアが生まれたという映像でした。その場の緊張感、技術的な課題を解決したエピソードなどを加えていただき、誠に臨場感のある感動の映像でした。種子島のロケット発射台、その前で、ペットボトルロケットだけで人を浮き上がらせた!! ここに強いメッセージが込められていることも分りました。
その後は、会場に持ち込んでいただいた現物を元に、水ロケットを如何に進化させてきたのかをお話しいただきました。(内容的には一杯あるのですが、紙面の関係で中略とします。)福山雅治主演の人気ドラマ、ガリレオシリーズ「真夏の方程式」では、何と片岡様の水ロケットが主役であっとのことです。流石です。西伊豆での天候待ちの撮影は最高であったという撮影秘話もいただきました。
お話しも終盤、水ロケットだけの推進力で走る水ロケットカー、結婚式での新婦ブーケトスへの応用、戦車を手作りしている若者と共同でロケットランチャー(?)に応用、カシオG-SHOCKのコマーシャルに富士山での撮影映像が採用されたお話しなどがありました。
最後には、夢小屋での創作として「Fiat500ペダルカー」を手創りされ、お孫さんとツーリングをされているとのことでした。
「無駄なものだが、おもしろい」「少し発想を変えてやっていれば、人は振り向いてくれる」「頭の中、疲れていてはダメ。いつも空っぽにしておくと、ものごとが新鮮に見える」などのメッセージをいただき、ご講演は終わりとなりました。
役に立たない、無駄な物などという表現で謙遜されていましたが、いずれの創作活動も世の中の人々に幸せが届く、素晴らしいものだということがよくわかりました。
片岡様、お忙しい中、本当にありがとうございました。この後も、大好きな物創りを貫かれ、社会をもっと明るくしていただきますよう、大いに期待しております。

第712回 日曜発明学校(2018/ 6/10)

午前は、株式会社シューゼット石田万友実様のご講演でした。演題を「シューゼットは5年に1度の一発屋」として、戦後の昭和から現代に至るまでの、製造・発明ご一家の芯があり柔軟な対応経緯を、愛あり危険あり、起伏激しい大物語としてお話しをいただきました。演題をつけられた理由がよくわかりました。休憩を入れていただくタイミングも絶妙であり、会場は、時間経過とともに、どんどんと話題に吸い込まれ、石田様のオーラにも包まれながら、発明についての要点や刺激を受けるとともに、世の変化とともに生きる大切さを強く感じた次第です。わざわざ東研のため、今回のご講演シナリオを作っていただきましたこと、本当にありがとうございました。
以下、少し、ご講演内容についてふれたいと思います。最初に、東研を高く持ち上げていただきました事、感謝申し上げます。大阪吉本様、発明学会松野様などの名前もありました。
皮切りは、戸田大宮の3名の町工場、石田鉄工所からのお話しでした。鉄の電信柱からアルミの飛行場へ、日本の宇宙産業の産声とともに転身をされたお話しです。悲壮感をもって挑戦された苦しい記憶とのことですが、「何か新しい事を始めないといけない」との信念で行動されたとのことです。ご家族へのやさしい視線を感じる一時でした。
ここからシューゼット様の事業の話です。航空宇宙事業が一つの柱であり、日本のロケットの地上実験機を製作されているとのことです。アルミ事業へ転身された結果とのことです。
事業のもうひとつが、石田万友実企画研究室。今回のシューゼットという商品を、進化発展されているお話しです。まず第一に、お母様(石田あつ子様)が、大分から上京の後、おかれた環境の中で多くの発明品に挑戦しつつ、このシューゼットを生みだされたというお話しでした。町工場が火の車の中、現在に至る33年間のシューゼットの歴史が始まったとのことです。昭和60年に、全国発明婦人協会で「三越賞」を受賞され、その8月にシューゼット誕生です。お母様の「プラス思考」が運を呼び寄せたとの感想もありました。
その後は、発明品シューゼットの好調であった時期、ピンチが訪れた時期、繰り返し起こるさまざまな出来ごとを、しっかりとご説明いただきました。
昭和60年(1985年)に発明品シューゼット誕生、1990年には男女兼用シューゼット、これが大ヒットとなった後、しばらくは絶好調。しかし、好調品であればあるほど類似品が出現する、その洗礼がありました。反骨・攻撃精神がほぼ消えていた点などを自己分析され、2003年にシューゼットキーパー、その後シューゼットキーパー2、いずれも大ヒット。通販で一位獲得など経て、2008年にスーパーブーツの発売。これもまた大ヒット。お付き合いされる方々も商工会議所始め広範囲となり、2013年のスーパーブーツ(伸縮タイプ)の発売に至るお話しです。大ヒットの後にやってくる類似品などへの防衛、知財で保護されるように取り組んだ新商品開発など、まさに5年毎に節目節目を乗り越えられてきたお話しでした。
その後、最終章となり、個人発明家が大企業を動かすというお話しは、大いに勉強になりました。また、発明品を販売する上で重要な感覚として「ゲーム感覚」を教えていただきました。ポーカーフェイスも必要であり、経験から強く実感されている「逆転現象」があることなど、個人発明家にとって、まずはゲーム参加の資格が必要である点などを説明いただきました。
ご講演を通し、信念と挑戦意欲を持ち続けこと、販売の構造は複雑に考えないことなど、シューゼット様の歴史を通し、しっかりと説明いただきました。本当にありがとうございました。
シューゼット様の、さらなるご発展を心より期待しております。

第711回 日曜発明学校(2018/ 5/13)

5月の午前には、東研の第60回年次総会となりました。お陰様で昨年度も無事に運営でき、また今年度も引き続き、刺激ある、元気な会にしたいと思っていますので、皆さま、よろしくお願い致します。
総会に引き続き、第57回東研発明コンクールも行いました。こちらも、大勢の方からの出品があり、またすばらしいアイデア品もありました。当ホームページの「ようこそ 下段のお知らせ」に掲載しています。ご覧ください。

それら当日の特別講演は、東京理科大学教授の生越由美先生にお願いしました。
タイトルを「新製品に活かす伝統技術と発明の関係を考える。」とし、私たち発明を目指す者にとって、どのように伝統技術を見れば良いのかを教えていただきました。
 
お話の内容としては、まず社会の変化からです。農業社会から工業社会となり、今は知識社会とのことで、それぞれの社会の特徴を教えていただきました。知識社会では「もの」も大切ですが、「こと」を売ることも大切な時代とのことです。ホンダの本田宗一郎氏の「いかにして人間が自由にできる時間を多く獲得するか、これが現代のテーマ」という言葉を引用され、発明の目的がそれであるとの指摘もありました。また、今の高齢化社会到来とともに、福祉用品の発明などには、まだまだその余地が多いとのこと。また社会変化に合わせ、技術面だけでなく文化面も発明に取り入れるとよいとのことです。

発明品にどのような付加価値を付けるかという点で、「日本の伝統技術」がそれになり得るとのお話しでした。伝統技術が付加価値になることを、日本人自身も気づいていないとの指摘です。私たちは、伝統技術、伝統工芸品を見て、なぜ売れ続けているのかを見極める努力をし、その何であるかという部分を発明品に採用することができれば、成功に近づくということです。
近年の政治推移、「あーうー」の大平内閣、「平成」の小渕内閣、「ぶち壊す」の小泉内閣と変わる中、日本文化の大切さについても、多くの取り組みが継続されています。現在では、日本文化には大きな潜在力があり、これからの長寿社会に大いに役立つ知恵が含まれているという方向性とのことです。また、世界的観点からも説明がありました。万博を例に、それぞれの地域の伝統技術のブランド化が如何に重要であるかということです。残念ながら、日本は、そのブランド化がうまくないとのことです。例えば、日本の漆は美術的に優れているだけでなく抗菌作用も活用すべきこと、和紙の斬新な活用法、たたら製鐵の先端技術への適用などは、発明品の付加価値要素となっているとのことです。
私たちも、日本の伝統技術に興味を持ち、発明の観点から勉強をし、自信を持って発明に応用すれば、きっと外国にも強く主張できる商品になりますよ。このメッセージをいただくなど、まさに「目の覚める」ご講演でした。
私たちでもよく理解できる範囲を選択いただき、伝統技術と発明の関係のお話し、本当にありがとうございました。
生越先生には、東研発明コンクールでの審査もいただきました。最後には、コンクールの総評として、「課題を明確にすること」「J-PLAT-PATでよく調べること」「デザインなどで進化させるとアピールしやすい」「説明の際にはポイントを押さえて」「本日の出品の中には、権利化するといいものもありました」「身近な方で使い合い、意見を言い合い、レベルアップを図るとよい」「考え続けること。日本だけでなく、世界がマーケットなのです。仲間でマーケティングしながら進めて下さい」と説明および激励をいただきました。

第710回 日曜発明学校(2018/ 4/ 8)

午前の講演は、クリエーター都築数明様でした。愛知県知財総合支援窓口の平井様から、「東海地区ですばらしい活躍」としてご紹介をいただき、ご連絡をさせていただきました。本当に日本のあちこちに行かれているお忙しい方であることがわかりました。都築仏壇店の経営とともに、クロート・クリエーションを立ち上げられ、時代に合わせたユニークな創作活動をされています。

 
ご講演の要点です。さわりでは、独自の創作活動と仏壇の関わりをお話しいただきました。家制度が崩れている日本において、仏壇への要望が変わってきており、例えばペット仏壇など脚光を受ける時代背景を考え、今までにない発想から、「人間が入る」「角をつける」などの仏壇を創られたそうです。創作当初は、由緒ある三河仏壇のお歴々からは「三河仏壇を名乗るんでない!」、寺のお坊さんにはおこられるなど、四面楚歌から始まったとのことです。克服策は「おっしゃる通り」と言うこと。めげずに活動を続けられ、徐々に認められるようになったとのことです。
これらの活動の「心構え」「思い」についても教えていただきました。仏壇を作成するには8つの職種が必要、即ち近隣にその職人さんたちがいるということですが、仏壇が売れない時代のため、その職人技術を何とか他の産業に応用してもらえないか、伝統技術を守りつつ社会貢献になる、と発想されたそうです。
木魚の職人さんに至っては、全国で11人と少なくなっており、驚くことに全て愛知県におられるとのこと。衰退する伝統技術を守らないといけないという「正義」、これに今の時代に合う付加価値を想定され、「ウルトラ木魚」「漆マジンガーZ」などを製作したとのことです。それぞれ、かなりの高額にもかかわらず、国内外問わず、数多く出ているそうです。「正義」と「面白さ」の重なる部分を狙ったとのことですが、中々できることではありません。
「ウルトラ木魚」は、宗教とのコラボレーションでもあり、従来であればタブーの領域でした。また、ヒーローであるウルトラマンの顔を叩くとは何事か、とおこられることを想定されていた時、ウルトラマンのTV放映の中に「怪獣供養」という内容があることを発見されたとのこと。「ウルトラ木魚」と結びつけられたという、まさに偶然も手伝い、現在では円谷プロの式年供養に、ポクポクと「ウルトラ木魚」の顔が打たれているとのことでした。※ご講演当日は「ウルトラ木魚」出張中。どこかでポクポク・・・。
さらに「漆」を教えていただきました。「JAPAN」には「漆」という意味もあることから、漆とプラスチックは相性が悪いこと、世界に「漆」が広まってい理由に、日本のアニメーションが大いに貢献していることなどもいただきました。都築様は、「漆」とポップカルチャーとのコラボに取り組まれ、3Dプリンターを使った「どこでもうるしっき」に取り組まれているとのことでした。
今は、その活動をより強化するため、「三河職人セブン」を企画推進され、元々高度な技術を持っている職人の皆さまと、数多くの高精度の創作活動を展開されているとのことです。
幸せな町「幸田町」で生まれた都築様の創作活動、今後益々のご発展を大いに期待しております。
ご講演当日は、体温39度と体調不良の中、ずっと立ったままで、笑顔を絶やさずお話しをいただきました。ご講演の翌日には東京で「和田アキ子」コラボ企画が始まるというお忙しい中、本当にありがとうございました。

第709回 日曜発明学校(2018/ 3/11)

午前の講演は、旭電機化成株式会社専務、原 守男様でした。テーマを「企業が希望する個人発明のいろいろな事例と手順」として、期待通りの関西弁によるご講演をいただきました。 最初に、DVD映像で旭電機化成さま概要を見せていただき、どのような会社さまであるか、私たちが理解したうえでの本題ということです。

 
一台の車製造には、多額の金型代が掛っていることなど、ものづくりをする際には、初期投資がかかるということの前提から始まりです。作られている製品の中から、まず「レモンしぼり革命」「ごますり革命」のお話しです。実際にレモンを持ち込んでいただき、しぼりの体験も加えてもらいました。製品化には、本当に使い易いものである必要があるということです。この完成度にするには、それぞれにつき、長年の歳月と多くの試作が費やされていることを、言葉や画像などで伝えてもらいました。また、ネーミングについても、マスコミに受けてよかったなど、効果があった点としてお話しをいただきました。
続いて「とびでないラップホルダー」「コード巻き」です。それぞれにつき、発明された方との接触状況、製品化に至るまでの経緯など、具体的にここに書きはしませんが、人間模様といいますか、発明者の人生が見えるお話しでした。ビジネスから見れば、発明者として欠けている部分、突っ走ってしまう部分などを指摘いただいた訳です。
発案・思い付きから少しの試作品を作っただけでは、商品化にはさわり程度。その先には、パテント調査・設計デザイン・本格的な試作・量産・パッケージ・販売・・・などなど、多くの工程があるとのことです。それらを経てやっと商品化となることをしっかりと理解しておき、自分でできることは出来るだけ行っておいて、やっと企業の方に振り向いてもらえるという事です。試作品とは改善であり、本当に使える物に近づくということですから、特に身近な家族などの辛口評価を乗り越えて、試作を繰り返すことが重要であることを教えていただきました。
また、個人発明家として企業さまと付き合うには当然相性もあります。機会ある毎に顔を覚えてもらう努力を忘れず、また個人発明に少し手慣れた企業さまの方が組みやすいこともあるとのことでした。また、はれてパテント契約などとなった後でも、企業さまの活動に影響を与える個人販売活動は余り好ましくない事や、お金のにおいを出し過ぎることもよろしくないなど、ご経験に裏打ちされた、説得力のある注意点を聞かせてもらいました。
お忙しい中、私たちのためにご講演いただき、本当にありがとうございました。

※原専務さまには、午後の研究発表にも参加いただきました。いずれの発表も可能性があると講評いただきました。ありがとうございました。

第708回 日曜発明学校(2018/ 2/11)

午前中のご講演は、ママのアイディア工房株式会社の社長、鈴木未夏子様でした。テーマを「発明主婦が社長になった理由(わけ)と現在(いま)」としてお話しをいただきました。

 

 

 始まりから、いきなり主力商品「ランチクロス」の販売実情という内容でした。2015年に商品化した初年度は、直販主体。ハンドメイド展やデザインフェスタなどで販売をされたそうです。その際の年間売上を教えていただき、大変参考になりました。商品単価から計算しても、初年度で数百個の販売をされたということです。さて、其ののち販売数字は右肩上がり一直線、今年度(3月末)の売上予測数字もご披露いただきました。まずは、ズバリ私たちの聞きたい事「どれほど儲かっているのか」を見抜いてのご説明であり、誠にスッキリするご講演構成としていただきました。お話しの中には、女性起業塾、支援金、事業計画作成など、ビジネス化に向けての取り組みをすることも重要であり、鈴木様の場合は「アイディアを普及させたい」という強い願望があり、それがいろいろな活動の後押しをしたとのご説明がありました。
其のあと、具体的なビジネス活動についてのお話しとなります。
まず、中国・インド・国内での縫製についてでした。ご講演当日も、午後に縫製関係の方と打合せをされるほど、常によりよいパートナーと接触されているとのことです。「NUTTE」というサイトなども利用されていること、勉強になります。中国のご苦労話もありました。
次にパッケージのお話しです。JANコードの取得については、会員メンバーとのやり取りなども加えていただきました。今の時代に必要な「洗濯表示」「原材料表示」「取り扱い表示」「サイズ表示」などについても、経験談をいただきました。
続いて「値段」の付け方についてのお話しです。考え方は、「販売していくらほど儲けるのか」も重要であるが、まず直接に店に行って「いくらで売っているのか」を自分で腹に入れることとのアドバイスです。資本の少ない方が負けるという厳しい指摘を含んでのお話しでした。
販促活動・売り込みについてのお話しが続きます。東急ハ○ズ○○店で、最もよい陳列ポジションを獲得されるまでに、どのような活動をされたのか、多くの努力をあることを知りました。「動けは動くほど手札が増える」とのメッセージは、ビジネスを始める基本姿勢であることを
教えていただいた次第です。
鈴木様のお子様が、自身の商品「ランチクロス」でちょうちょう結びができたときの笑顔、これが報酬です、とも伺いました。私たちに対し、やる気・元気のもとは大切にし、ものを作る時代から自分の商品を作り販売する、いわゆるセルフプロデュースの時代であることを理解しておき、地道な活動で自信を付けることが大切です、と力強いアドバイスをいただきました。
お忙しい中、また9才・7才・4才のお子様を東京に残したまま、名古屋までお越しいただき、貴重なご講演と楽しい時間を作っていただきまた。本当にありがとうございました。
「一家に一つランチクロス!」に向け、この後も益々発展されんことを期待しております。
※ランチクロスの即売や女性メンバーとの食事会などもありがとうございました。

第707回 日曜発明学校(2018/ 1/14)

午前中のご講演は、一般社団法人発明学会の黒田晃様でした。テーマを「商品化の念願、平坦でも茨でもなく運次第でもない、自分で作って行く階段」としていただき、発明学会の中でのご経験の数々から導かれた「商品化」への道筋をお教えいただきました。

東研に合わせ、目次(レジメ)を準備いただき、また多くの発明学会さま資料も配布してもらいました。「身近なヒント発明展」と「ミニコンクール」の違いもはっきり理解することもできました。新春にふさわしく、私たちの商品化を祈願していただくこととなり、本当にありがとうございました。この後は、私たちが自分で進んでゆくという事です。
さて、講演内容について、要点を以下とします。
まず出願書類についてです。権利化を目指すには、あまり力を入れない記載項目があることは知っていましたが、商品化を目指す為には、しっかりと順序に合わせ書く事が良いということを教えていただきました。例えば次のようなことで商品化が近くなるということです。
(1)消費者がスッーと手を出してくれるのか。売り場はどこであり、誰に買ってもらうのかなど、想定しているのか。説明書を読まずして、すぐに何かが分かるようにしないといけない。(2)高度な知識を出すのではなく、少し素朴な振りをするぐらいがちょうど企業が振り向く場合もある。(3)類似商品はどのようなものがあるのか、私はここまで調べています、というメッセージは有効。(4)部材・部品なども検討し、コストに耐えられるかも考えている。・・・・など。
これら(1)~(4)を、明細書の順番に立ち返り、自分はどの程度・段階まで来ているのかを確認しつつ、また進める。これが良いとのことです。即ち、明細書の順
番に従い内容をしっかり書く事が、商品化への近道であるということを教えていただきました。
次に試作品作成の必要性です。試作品を考え続けることで、ふっとアイデアから飛び込んでくることもある、そこまで考え続けると良いという事です。考え続ければ、寝ている際にも自然と問題が整理され、サァーと進むことがあるとのことです。考える事に加え、多くの試作品を作ることがまた商品化への道とのことです。企業の方と打合せをする場合に、その考案品が評価されると同時に、発明者自身も評価されているとのことです。アイデアを説明する際に、数多くの試作品を作っていれば、話自身の説得力は高くなり、また企業側からすれば商品化への多くのテストが省略される点など、メリットは絶大ということです。試作品を作り、課題を乗り越え、また作ることを多く繰り返すことの重要さを、しっかりと教えていただきました。
商品化への「売り込み」についても「その機会」を教えていただきました。商品化の製造販売支援してもらう企業側にも、いろいろなタイミングがあるため、いいものであっても採用されないタイミングが多い。それを克服するため、発明学会さまで「身近なヒント発明展」と「ミニコンクール」があり、その違いのご説明とともに、申込みの際の売り込みポイントなどを教えていただきました。自己紹介をしっかりと書く、試作品は数多くの作成努力をしておくなどです。アイデアが盗まれる心配は、どうしても可能性としてあるが、盗まれるぐらいのアイデアがすばらしいと腹をくくり、いろいろなコンクールに応募するとよいとのアドバイスをいただきました。
今回のお話しを聞き終えれば、まさにタイトル通り「商品化は、平坦ではない。ただし茨でもなさそう。また運だけではない。自分で、繰り返し試作品を作るとともに、売り込みの機会を積極的に活用して行く、だれにでも昇って行ける階段である」ことがよくわかりました。新年早々の時期、わざわざ名古屋までお越しいただき、本当にありがとうございました。