第727回 日曜発明学校(2019/9/8)

午前は、加藤電機株式会社代表取締役社長の加藤学様より、「人を守る発明とは」のご講演でした。実現へ仲介いただいた天木様にもお越しいただきました。お忙しい中、誠にありがとうございました。
会社のある半田市、半島というハンディキャップがあります、という入り方でした。また、「加藤」姓は、一般的には加賀の藤原一族が起源ですが、家紋から、名古屋城築城の名手、加藤清正公と同系ではないかという、なかなか聞くことのできないお話を、自己紹介としていただきました。初のお孫さんのご報告もありました。おめでとうございます。


さて、ご講演は、タイトルにある「人を守る発明」について、一貫したお話しでした。どうしても利益優先・ビジネス感覚で新しいものが生まれるですが、儲けばかりでない新しいチャレンジもある、といったメッセージを感じました。『SANフラワー』という、全く斬新で価値のある新サービスについて、果敢に挑戦されている中、儲けばかりでない取り組みもされていること、誠に頭が下がる思いであります。「人を守る」ため、今の最新の技術を使い、ご自身の発明を加え、普及促進に努力をされている活動は、多くの方の課題を解決することを目標とされており、心より期待しております。さわやかな余韻の残るご講演でした。
内容的には、まず社長ご自身と発明の関係について、数多くのエピソードをご披露いただきました。何と、中学卒業時に既に大発明、カセットテープの爪スライド方式を考案され、企業にも採用されたという驚くべきお話しがありました。(フロッピーディスクのDr中松を思い出してしまいました。)その後、学生時代から東芝時代のお話しです。高度な研究の数々であるため、酸化物高温超電導・ランタノイド・4ケルビン・スパックリング装置のなどという単語が目の前を通り過ぎました。高度な発明もされたとのことです。(すごい。)スタートレックの話は分りました。カーク船長、Mrスポック。発明・智慧の基のなったとのことです(確か、Mrカトーもいたような・・・)。東芝を止める際の引き留めエピソードも、味のあるオチをつけていただき、人のことより自分が第一という世界が垣間見られました。
その後、現在の会社で展開されている事業、国内外の多くの著名な方とのお付き合いから、その方々の判断の良さなど、ここにも、これからの事業に必要な要素があるというメッセージを感じ取りました。ユニクロ柳井さん「いいアイデアだ。3ケ月後は儲かるの?」。狙撃されても死ななかった國松警察長長官からは、事業へ背中をたたかれた、というお話しなどから、「人を守る」サービスを立ち上げてこられた経緯が理解することができました。また、その間には、加藤社長の高度な特許も含まれているとのことでした。
ソクラテス曰く「哲学とは、人間の世界を智慧と愛でより良くすること」。愛知とは「知を愛する」、愛知ハンディキャップ半田市からの「人を守る」サービスに繋がるとのことです。
多くのエピソード・話をいただきました。書ききれませんが、「何かのテーマを持っておき、ガチガチでなくリラックスしている時に、私は、多くのひらめきがあった。特にフランスベッド」とのアドバイスもありました。「人を守る」サービス、益々のご発展を期待しております。

第726回 日曜発明学校(2019/8/11)

午前の講演は、東研会員、KGコーポレーションの北川四郎様でした。テーマを「アマゾンへの出品経験をお話しします」として、ご経験談をお話しいただきました。
まず、北川様からのメッセージをお伝えしないといけません。それは、
『パソコンのパの字も知らない世代ではあるが、息子に教えてもらいつつ何とか操作を覚え、アマゾンにもメールや電話(長い時は3時間も)でサポートしてもらい、現在、実際に商品販売をしている。東研の皆様も、試作品でもいいので、アマゾンに登録すれば、やる気・元気につながりますよ』というものでした。『東研でもネット販売のお話しがありますが、自分の経験談も参考にしてもらいたい』とのことで、北川様からお話しを伺うことができました。


お話しの要点を以下とします。
まず、販売をされている対象商品についてのお話しです。会社時代に扱われていたミスト関連の商品、それらの機能をよく承知していたのがベース。そこで、ネットを通じ、特にミスト商品の用途説明までを丁寧にした販売を目指そう、ということで思い立ったとのことです。 ネットセミナーで勉強などを経て、アマゾンを知るに至り、2013年7月にアマゾンへの商品初登録となります。
私たちの参考となるアマゾンへの出品手続きについて、いくつかに分けて説明いただきました。
【事前準備】ブランド名・品番・品名・パッケージ・写真準備、工業所有権、口座・クレジットカードの準備など。登録までにも、いくつものハードルがあったことがわかります。取引認可に、北川様の場合、2ケ月もかかったとのことです。
【登録手続き】大口出品・小口出品の違い、出品にかかる手数料、アマゾンのFBA(商品を保管してもらい出荷してもらうサービス)の利用有無などを確定します。
【販売契約】注文に対する不良率(1%未満でないと取引停止も)、商品自体の信頼性基準、商品のコンディション、商品の安全性、契約違反となる商品。これらを遵守する必要もあります。
【受注後の作業】出荷遅延率、プライム当日発送、出荷前後でのキャンセル手続き、運送会社指定、納品書作成など、規準の即した作業も大変だとのことです。
これらいくつものハードルを越え、現在では、約100商品の登録をされています。商品自体の数は多くなく、さまざまな部品と組合せたものをひとつの商品とされています。即ち、用途別の商品として、丁寧な説明文をつけた商品展開をされているのです。説明文の中には、東研での受賞実績も挙げてもらっています。
現在の北川様は、日々の販売状況を楽しんでおられる様です。アマゾンの出品者へのサービス、例えばセラーフォーラムなどに書きこまれている情報を活用し、トラブル対策・事前予防などをされているというお話しもありました。
ネット販売という未知の世界に果敢に挑戦をされ、元気に活動をしておられるご経験談、大変参考になりました。益々のご発展を期待しております。本当にありがとうございました。

第725回 日曜発明学校(2019/7/14)

午前の講演は、株式会社トッププロダクツ代表取締役の遠山義勝様でした。テーマを「関の刃物、アイデアを商品化するポイント」として、関の刃物文化と、アイデア品の提案のコツ、さらには具体的なコスト構造などを教えていただきました。
お話しに際し、9種類もの商品を会場内に回していただき、手に取りながら話を伺うことができました。「この話は、これか!」「さっきの話は、ここだ!」などと、良く分るお話しとしていただいたのです。


まず、「折れず曲がらずよく切れる」といわれる、関の刃物の歴史のお話がありました。室町から戦国時代に全盛期があり、「関の孫六」商標の変遷、明治の廃刀令が大きく産業衰勢に影響したことの説明がありました。知っていそうで知らない話であり、また、刃物のことわざが多い事、「刃折れ矢尽きる」「両刃の剣」「ヤキを入れる」「元の鞘に収まる」「鍔迫り合い」など、日本文化に直結した刃物文化を、再度見返すことができました。
刃物の産地、燕三条、堺、兵庫小野などとの比較もありました。同じ刃物と言えども、それぞれに、得手不得手があり、また販売ルートが異なるため、得意分野以外は中々手が出しづらい環境になっていることです。アイデア品の提案についても、その観点をもって行動をする必要があるとのアドバイスもありました。関は包丁・カッター系。
その後、回覧の9商品についての説明です。「今、どこに回っていますか?」と、それぞれの商品に注目が集まった後、商品別の説明となります。商品開発時の特別話、マスコミ出演実績、東急ハンズなどでの販売実績、ヒット商品・ロングセラー商品となっている理由など、それぞれに刺激ある、興味のつきないお話しでした。多くのエピソードを入れていただきました。
その中には、知的財産権の要素も入れてもらっています。提案者が権利化をどの程度行っていた商品であるかなど、意匠や特許権についての対策なども、しっかりと説明いただきました。23年間で、ご自身で作られたものは1つ、と謙遜されてもいました。また、デザイナーによる洗練化されたデザイン・モニタリングの活用についても、実績に裏付けられたお話しでした。
私が最も参考にさせていただいたのが、商品の流通過程の、取引金額の変遷です。例えば、1000円で小売される商品について、メーカー側はいくらで製作しないと商売にならないのか。答えを聞いて、誠に理不尽と感じてしまいました。東研で勉強していることは、その製作にかかる費用に一部、アイデア段階だけです。しかし、この段階が、より価値ある活動を、認めてもらいたいものです。流通過程のそれぞれに、コストが掛るのはよく分りますが、製造者にはもっと多くの利益配分が必要と、私は感じてしまいました。
その他、グローバル化時代の考え方、アイデアをメーカーへ提案する際のポイントなど、話の全体を、長年の実績に裏打ちされた、本当に為になるお話しをいただきました。
遠山様、本当にありがとうございました。この後、東研メンバーからの提案があった際には、よろしくお願いします。トッププロダクツ様の益々のご発展を期待しております。

第724回 日曜発明学校(2019/6/9)

6月講演は、創意国際特許事務所一日一発明弁理士、東研顧問の内田昌宏様でした。今回は、2年振りの登壇です。テーマを「一日一発明で令和時代を生き抜く」として、私たちに発明とともに楽しく生活するポイントを教えていただきました。

まず、特許などの権利は何のためにあるのか、というお話し。『権利は、「業:なりわい」として実施する権利であるため、事業化していかないと意味がない。事業化するには、まず個人事業主として始めるのが良い。その上で、一日一発明などしてゆけば、いずれ成功につながる。社会的には、副業・起業が脚光を浴びる時代であり、それには、一日一発明は効果的です。』ということが記憶に残っています。
続いて記憶に残っていることは、成功する確率のお話しです。『確率の事例として、東京マラソン参加の抽選は、一部事情を除いて、ほほ運であること。宝くじの当選は、運の世界。弁理士の合格は、運だけではない確率。同じ確率でも意味が違う。その上で、発明アイデアがヒットする確率は、身近な資料から計算(多分、内田先生独自の計算と思われる)すれば、「1793分の1」となっている。千に3つといわれている数字よりは確率として小さいが、千・二千と発明品を考えれば、その中にヒットするアイデアが出る。』というお話しでした。
また、一日一発明の意義についての内容も覚えています。『まず、脳が活性化されます。生活も活き活きとし、健康で豊かな生活が実感できます。個人として、商品化を通し、社会に貢献できるという、すばらしい目標も出来るのです。』というものです。内田先生ご自身の発明を書き記されている、発明手帳・発明ノートを、披露いただきました。趣味の登山・ランニング関係の発明や、モノではない、しくみ的のアイデアなども発明であること、さらには、ご自身の数多くの発明を分類・分析されていることなど、勉強になりました。

市民発明家として、儲からなくとも、楽しく、生き生きとして、時間に余裕を持って生活する発明人生のすばらしさについて、以前のご講演内容にも増して、さらに強く認識できました。内田先生、本当にありがとうございました。

第723回 日曜発明学校(2019/5/12)

東研60周年記念の特別講演には、中日新聞論説委員の飯尾様にお越しいただきました。テーマを「持続可能性の時代に」として、今の時代と、発明活動の関係につき、お話しをいただきました。東研60周年に合わせ、60年続いているクラウンズ(ゴルフ)を例に挙げられ、こんなに続ける事は、大変めずらしいことであると、お褒めいただくところから始まりました。
お忙しい中、本当にありがとうございました。以下、ご講演の要約となります。

1960~70年代の高度成長時代には、荒地開発用の科学肥料としてチッソが必要であることを第一とし、大きな公害問題が発生してしまったのです。四日市公害もしかり。この頃の学会では、例えば公害物質であっても、広大で無尽蔵の海の水、これが薄めてくれる、などという、誠に環境意識が欠けていた時代でもあります。
しかし、その後の研究や、阪神大震災時の耕作地の荒廃実例などにより、環境は人が創るもの、人は環境維持を続けるもの、という認識が芽生えてきたのです。

海はでっかい水たまり、しかし既に「1.1℃」も上昇しています。このヒートアイランド現象始め、数多く現われている環境問題や困難な課題に対し、先進国が活動を始めました。
2001年には、MDGsという目標を作りました。産業の強靭化においても、不平等をなくす活動も、暮らしのインフラを整備する場合も、プラスチックの削減行動も。ミレニアム千年紀を意識した活動が必要であるということです。近年、MDGsを受け継ぎ、新たな17の開発目標を宣言し、人類として対応することになりました。これが、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)であり、2015年9月に国連で開かれたサミットの中で世界のリーダーによって決めらました。
しかし、現在、この目標は達成されていません。間もなく開催される大阪G20でも、この内容も話し合われます。脱炭素社会、CO2排出ゼロの技術革新などが、特に注目される業界になってきます。安城市にメトロ工業という会社があります。あのエジソンがつくった会社GE、そのGEが注目している企業であり、カーボンフィラメントを製作しています。大きな環境貢献が期待される技術です。

高度な技術だけでなく、私たちにもできる環境活動があります。私たちは、暮らしの中での工夫をしています。もったいない意識、昔ながらの生活の知恵、これらを大切に生活しています。これらには、SDGs持続可能性のヒントが多く含まれているのです。それらを、さらに工夫するという発明活動、ここが大きく期待されるところなのです。例えば、ペットボトルは、自然に分解するのに400年もかかるのです。何とか、しましょう。
世界中が持続可能性の時代です。これを強く意識し、発明活動されることを期待します。

第722回 日曜発明学校(2019/4/14)

午前は、模型飛行機製作家 竹内史郎様による『私を40年余り遊ばせてくれたピーナッツスケール』のご講演でした。専属パイロットでもある奥様とともにお越しいただきました。寸法を入れないという、独自の飛行機設計図も準備いただき、また、十機以上の模型飛行機を持参されての、お話しでした。
ピーナッツスケールという模型飛行機は、翼巾330mmのものを差し、それより小さい翼巾200mmのものを「ピスタチオスケール」、大きい翼巾450mmのものを「ウォルナッツスケール」と呼ぶそうです。ナッツの種類で表現した、世界標準の呼び方だそうです。


そのピーナッツに40年間、虜になっているというお話しですが、その前段がありました。小学校時代からグライダーの操縦やプラモデル作成の好きな子供であり、夏休みには「紫電」も作った。中学時代、雑誌「模型とラジオ」に影響を受け、バルサ材(バルサという、エクアドル産の木から作られた材料。軽くやわらかいため、加工がしやすく、模型工作に広く使われている)と出会い、セスナなどを製作していた。歌・ギターにも嵌り込んだ時でも、紙飛行機60機、グライダー模型作りをしていた、とのことでした。私の知り合いにも、学生時代に模型に集中していた人も居ましたが、大抵は、このあたりで離れてゆきます。しかし、竹内様はさらに深く続きます。
雑誌「Uコン技術」に掲載の設計図を見て、「こんなもん、飛ぶはずがない」と思い、普通はそこで終わるところ、設計図に合わせ作ってしまった。そして、それが予想外に飛んだ。40年以上に渡るピーナッツスケールとの付き合いの始まりとのことでした。ピーナッツの取り組まれた後、奥様からの一言が、大きな分岐点であったことも披露いただきました。「ピーナッツスケール、ひとりじゃ広がらないよ!」と。広告を出し、仲間を集め、現在の「庄内ピーナッツ」に至ったとのことです。
TV「おとなの秘密基地」に出演された映像を見せていただきました。その中には、竹内様の秘密基地、ピーナッツが溢れる格納庫が映されていました。集中できる趣味があり、それを自由にできる環境は、まさに理想的です。庄内ピーナッツの皆さまと、実際に飛ばすシーンもありました。誠に気分の良い時間であろうと、つくづく感じました。
お話しの後は、飛行実演です。「作る楽しみだけでなく、飛ばす楽しみがある。ひと粒で二度・三度おいしいのがピーナッツ」と表現されていました。重くなると飛びにくいが、スケールは形が命のため、なかなか軽くできない。動力のゴム幅を調整したり、巻き数を調整することで、うまく飛ばすのがコツとのことです。専用にゴム巻き機で、その時は549回などと正確さの説明がありました。また、調子の悪い部分の修復実演が良かった。軽いお話しをされながら、模型の修復・調整があり、見事に会場内で飛びました。なかなかの年季の入った技術です。世界大会などでは、このリペア技術が差になるとのことでした。
材料費が掛らない世界とのことですが、その設計図を自らが製作、一機を製作するのに1ケ月という世界は、中々できるものではありません。ゴム動力をさらに追及、空飛ぶ自動車にも挑戦中とのことです。益々、有意義なピーナッツ人生を送られ、その世界を拡げられんことを、大いに期待しております。竹内様、奥様、本当にありがとうございました。

第721回 日曜発明学校(2019/3/10)

午前は、株式会社シンテックホズミ経営企画室室長、柴田友宏さまより『ロボット介護機器 電動アシスト歩行車 Tecpo/テクポの開発』のご講演でした。私どもの為、お忙しい中、ご講演の準備や当日のTecpo実機持ち込みをいただき、本当にありがとうございました。

お話しは、まず、シンテックホズミさまの事業説明がありました。デジタルコンタンツ・シミュレーション・VR/MR/ARなどという難しい単語をやさしく紹介いただきました。ロボット関連事業については、溶接タイプ、モノを運ぶタイプ、愛知万博のお話しなどがあり、ユニークな人についてくるロボットについても、説明いただきました。こんな素直なロボットが出現すれば、多くの人が喜びそうです。
さて、次にTecpo開発のお話しです。驚いたことは、開発に当たり、ロボットの定義をサービスロボットに当て込み、さらに事業コンセプトとして明確にした上で、開発をされていることです。開発を推進される上で、いろいろなことが起きるでしょうか、芯がブレないことになります。すぐに、実物としての試作品製作に入るのではなく、気持をしっかりさせての開発をされること、誠にすばらしく、流石に自動車関連のお仕事だと感心した次第です。また、「てくてく歩く」「テクノロジー」で「Tecpo」もすばらしいネーミングと思いました。
実開発のお話しに移ります。アイデアを社員の方から募られたとのこと。その膨大なアイデアの中から、今の時代の流れに合わせたテーマに絞られました。その後に、試作を重ね、現場での使用テストを繰り返されたお話しでした。Tecpoに対しても、しっかりとした開発コンセプトを決められ、途中、シルバーカーとアシスト歩行車との違いを明確にされる苦労などもされたとのことです。一次試作機の課題を、例えばセンサー技術を使い解決し、二次試作機へと進む。二次試作機では、人の足の動きを把握し、よりよい動きとなるような改良を加えられた。そして、三次、四次、・・・。進むにつれ、歩く速度を自動計算する機能や、各種の耐久・電波などの試験、屋外という環境下でのテストを繰り返され、現在の商品化されたモデルは、何と10代目とのことです。その中、柴田室長からは「屋外は過酷」という言葉が印象に残りました。何気なく生活している屋外環境が、開発サイドにとっては、複雑で過酷な環境であることを再認識しました。
その後、持ちこんでいただいた特設ステージ(スロープ)でのTecpo実演です。多くの人が、直接触れることもでき、お話しにあった部分部分の体験・確認をさせていただきました。私も体験し、スロープの昇降アシスト具合が絶妙であることが、よく分りました。また、その最中、参加者からの多くの感想や利用シーンの話、さらには改善の希望やアイデアなども、そのまま聞いていただけました。うれしいことです。
高度技術でビジネス展開をされているシンテックホズミさまの、さらなるご発展と、柴田室長さま及び河野真奈さまのご活躍を期待しております。本日はありがとうございました。

※蛇足となりますが、私の第一印象、Tecpoは形がいいです。やさしい形をしていますので、それを残しつつ、さらなる進化を期待しています。

第720回 日曜発明学校(2019/2/10)

午前は、名古屋大学大学院で工学研究科土木工学専攻の教授、中村光さまより『インフラで社会を守る、社会でインフラを守る』のご講演でした。
土木学会中部支部さまの活動に、土木知識普及のための講演開催があり、中村教授に東研にお越しいただく事が出来ました。限られた時間の中、わかりやすい順序で、土木についてお話しをいただけました。インフラと社会の、現在の状況がよく理解できました。本当にありがとうございました。

  
専門知識のない私どもに対し、「道路を作りたいから作ってるのではない」土木事業がよく理解できました。お話しは5章。私が刺激を受けた部分として、以下要点の報告とします。
(1)日本とはどんな国か? 寺田寅彦作といわれる「災害は忘れたころにやってくる」。彼は昭和9年に、日本の特性を押さえ未来を見通した、すばらしい先人であることを知りました。濃尾地震以降にレンガを避けるようになったこと。文明が進むと災害は激烈になる。これを、作用と抵抗の関係を基に、わかりやすく教えていただきました。自然制覇は不遜であるとのことです。また、マグニチュード7と9、0.2毎に2倍、よって1000倍もの違いがあることは記憶したいことでした。
(2)巨大災害がきたら何が起きる? 過去の大災害、関東・阪神淡路・東日本の大震災などでの、人的被害・経済的打撃の大きさ。伊勢湾台風で災害対策基本法が出来たこと。余地されている南海トラフ大地震についての被害予測数字、改めて巨大災害が国家を揺るがす脅威であることを感じます。抵抗力投資により、防災ではなく減災に力を入れる必要性が理解できます。
(3)国土強靭化とは? 国土強靭化基本法として、8つの切り口から取り組まれていることが理解できました。①人命第一 ②人命救助 ③行政不全リスク ④情報通信不全リスク ⑤経済機能不全リスク ⑥生活インフラ ⑦二次災害 ⑧復旧 とのことです。なるほど、いずれを欠いても大変な事態となります。この法律、平成30年12月にも見直しをし、「高度に文明が発達すれば、大災害の時にどこがボトルネックになるか、起こらないとわからない」に挑戦されていることがよくわかりました。
(4)自らの地域と命を守るためには? 愛知県・名古屋での地区防災計画について、自助・共助・公助の違いとそれぞれの必要性について、熱く、丁寧に説明いただきました。阪神淡路以降に「減災」という単語が使われはじめ、考え付く減災対策の一環に、地域の防災マップが必要とのことです。良く聞くハザードマップでは、メッシュが荒く、やはり地域地域に密着した、「切り盛り」をも表すことを教えていただきました。
(5)インフラの健康状態は? 日本のインフラは、随分とお年寄りとのことでした。特に50年以上経つと、インフラの健康度合いにバラツキが出るとのことです。1698年架設の永代橋が、1807年に崩落、400~1400名の死者が出たというお話しなど含め、老朽化したインフラの整備時期に、今の日本が勅命していることが分りました。小学生が橋の名前を付け、橋守(はしもり)を育てる活動など、誠にすばらしいものです。
日本とは、国土がどのように位置付き、変化し、人手によってどのように工夫が凝らされて来たのか。これら情報をしっかり押さえ、減災意識を持ち、公助に加え自助・共助を行うということ。要点をわかりやすく短時間で教えていただきました。中村教授および土木学会さまによる益々のご活動で日本をお守り願います。土木のお話し、本当にありがとうございました。

第719回 日曜発明学校(2019/1/13)

午前は、東海機器工業株式会社会長の内藤誠治さまより『知っているようで知らない畳の話』のご講演でした。畳には深い文化があり、今後の可能性も大きく秘めた製品であることが、よくわかりました。年始で公私ともご多忙の中、多くの資料もご準備いただき、また主に国内でご活躍との内藤慎治さまにもお越しいただき、本当にありがとうございました。私たちの周りに普通にある「畳」ですが、ご講演の後には、「畳」というすばらしい存在に感謝をしたくなったご講演でした。以下、要点のみ報告とします。
まず、東海機器工業さまの畳製造機への経緯のお話しでした。東研発足と同じ昭和34年から始動され、その時期の畳不足を解消するため、職人さんの反発を覚悟で機械化に挑戦、尺貫法を残すなどを考案され、粘り強い営業を突破口とされた事業とのことでした。
畳そのものの製造や畳の構造についても教えていただきました。「たたみどこ」「たたみへり」「たたみおもて」という単語が踊り、職人さん作業としてどこを残したかなど、丁寧に解説いただきました。

 

圧巻は、日本の歴史上、しっかりと畳文化が存在しているというお話しでした。何と、古事記にも日本武尊が畳で荒れた海を鎮める話のあることや、畳の祖神祭として「彦火々出見尊=山幸彦」があることから始まり、元々は天皇の寝所であり移動可能な家具?的なものであったこと、寝殿造りから書院造りへの建築様式の変化にも大きく畳が関係していること、「おもてなし」は畳での接待とのこと、高山陣屋を例とした紋縁・無地縁・縁なしの部屋のお話し、北斎漫画にも畳は出てくること、足利義満が使ってはいけない畳縁を初めて使った話など、畳観点からの歴史談義には、全く驚くばかりでした。歴史文化財などを見る機会があれば、その際には思い起こしたい内容ばかりでした。
また、イグサの効果効用についても、丁寧に説明いただきました。吸放湿・断熱・遮音防音・転倒衝撃吸収・抗菌・鎮静・リラックスなどの効果があるとのこと、整理して説明されれば、なるほどすばらしいこと、再認識です。また、畳文化・畳普及の世界事情についても、事情を教えていただきました。驚きばかりです。和食同様、畳も日本文化として着実に普及し続けていること。茶道、生け花や着物などとのコラボによる展開で、しっかりとした日本文化の一角としての地位を築かれていること。特に外国で理解を得るために、空間演出をされていること、どの場所でも大好評のミニ畳作りなど、誠に活気ある活動をされています。

会長におかれましては、全国各地および海外への畳文化普及のため、数多くの活動をされていることも、充分理解できました。少子高齢化・災害時支援など、これからの社会ニーズに合わせた活動にも積極策を打たれていることも、頼もしい限りです。
最後に、私ども個人発明家に対しても言葉をいただきました。「コトがあってモノがある。コトが先。よってモノ語りが必要となる。」「良いアイデアがあれば内緒で・・・。」
日本文化「畳」、益々の普及と少しでも「みやび」に近づく社会実現に向け、東海機器工業様の益々のご発展とご活躍を期待しております。新春1月、本当にありがとうございました。

第718回 日曜発明学校(2018/12/09)

午前は、株式会社くればぁ取締役社長の中河原毅さまより、『メッシュフィルター技術を活かした世界進出』としてご講演をしていただきました。
高級マスクを製作されている会社さまと思いお話しを聞き始めたのですが、結果、誠に感動溢れる、また社会貢献という単語通りの活動をされていること、本当に勉強になりました。
 

まず、1966年の創業から、苦難の時期を経て現在の「くればぁ」様に至った経緯をお話しいただきました。お父様の英断などがあったとのことです。。
中河原毅様がくればぁで取り組まれたのが、「メッシュ」を事業の主軸にすることです。仕入先開拓、そのころの世界をリードしていたヨーロッパメーカーへの接触経験談が圧巻でした。Google翻訳に頼るのみでヨーロッパに乗り込んだのはいいが、ベルギーで「考えとく」と断られ、フランスで「アジア人は信用できない」とあしらわれ、ドイツで「アポがあっても会えない」と突き放されとのこと。最後のスイスメーカーでも守衛に止められた茫然となった。その時、ここは「会えるまでは帰られない」と、雪の中、ずっと外で待ち続け、根負けした相手方と交渉に持ち込むことができたとのことです。先方からも「死ぬ気なのか」との驚きの言葉もあったそうです。しかし、その商談も簡単なものではなく、次々と現われる課題を克服し現在の状態に近づいたとのことです。
その後、現在のくればぁさまでのメッシュ関連製品のご説明をいただきました。いずれも感動があります。中国で「くればぁマスクは鼻水が黒くならない」という大絶賛、環境のほか、健康・スポーツにも役立つ研究・製品化。防水にメッシュ、自動車メーカーからのアプローチ。防虫・防鼠対策として特殊加工を施したメッシュを展開。さらに、エボラ出血熱の感染防止として、ギニア・ソマリア・コンゴなどにマスクを寄付されたお話しなど、本当に勉強になりました。
強みを「メッシュ」に求め、様々な領域での活用にアイデアを駆使され、強い意志で社会貢献を目指されているお話しでした。世に中の動きにアンテナを張り、先手を打つというノウハウも教えていただき、本当にありがとうございました。
くればぁさまの、今後の益々のご発展とご活躍を大いに期待しております。