第725回 日曜発明学校(2019/7/14)

午前の講演は、株式会社トッププロダクツ代表取締役の遠山義勝様でした。テーマを「関の刃物、アイデアを商品化するポイント」として、関の刃物文化と、アイデア品の提案のコツ、さらには具体的なコスト構造などを教えていただきました。
お話しに際し、9種類もの商品を会場内に回していただき、手に取りながら話を伺うことができました。「この話は、これか!」「さっきの話は、ここだ!」などと、良く分るお話しとしていただいたのです。


まず、「折れず曲がらずよく切れる」といわれる、関の刃物の歴史のお話がありました。室町から戦国時代に全盛期があり、「関の孫六」商標の変遷、明治の廃刀令が大きく産業衰勢に影響したことの説明がありました。知っていそうで知らない話であり、また、刃物のことわざが多い事、「刃折れ矢尽きる」「両刃の剣」「ヤキを入れる」「元の鞘に収まる」「鍔迫り合い」など、日本文化に直結した刃物文化を、再度見返すことができました。
刃物の産地、燕三条、堺、兵庫小野などとの比較もありました。同じ刃物と言えども、それぞれに、得手不得手があり、また販売ルートが異なるため、得意分野以外は中々手が出しづらい環境になっていることです。アイデア品の提案についても、その観点をもって行動をする必要があるとのアドバイスもありました。関は包丁・カッター系。
その後、回覧の9商品についての説明です。「今、どこに回っていますか?」と、それぞれの商品に注目が集まった後、商品別の説明となります。商品開発時の特別話、マスコミ出演実績、東急ハンズなどでの販売実績、ヒット商品・ロングセラー商品となっている理由など、それぞれに刺激ある、興味のつきないお話しでした。多くのエピソードを入れていただきました。
その中には、知的財産権の要素も入れてもらっています。提案者が権利化をどの程度行っていた商品であるかなど、意匠や特許権についての対策なども、しっかりと説明いただきました。23年間で、ご自身で作られたものは1つ、と謙遜されてもいました。また、デザイナーによる洗練化されたデザイン・モニタリングの活用についても、実績に裏付けられたお話しでした。
私が最も参考にさせていただいたのが、商品の流通過程の、取引金額の変遷です。例えば、1000円で小売される商品について、メーカー側はいくらで製作しないと商売にならないのか。答えを聞いて、誠に理不尽と感じてしまいました。東研で勉強していることは、その製作にかかる費用に一部、アイデア段階だけです。しかし、この段階が、より価値ある活動を、認めてもらいたいものです。流通過程のそれぞれに、コストが掛るのはよく分りますが、製造者にはもっと多くの利益配分が必要と、私は感じてしまいました。
その他、グローバル化時代の考え方、アイデアをメーカーへ提案する際のポイントなど、話の全体を、長年の実績に裏打ちされた、本当に為になるお話しをいただきました。
遠山様、本当にありがとうございました。この後、東研メンバーからの提案があった際には、よろしくお願いします。トッププロダクツ様の益々のご発展を期待しております。

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