第715回 日曜発明学校(2018/ 9/ 9)

午前は、経済産業省中部経済産業局の地域経済部産業技術課、知的財産室室長の正(しょう) 知晃様に、「知的財産権と産業財産権制度の概要」としてご講演をいただきました。
日本の知財大元締めである特許庁の活動を含め、私たちが知っておくべき知的財産権制度について、丁寧にご説明をいただきました。以下、ご講演の要点とします。

    
正様は審査官の経歴がおありとのこと、確か2,000名と言われましたか?、現在の日本では数多くの審査官により、知的財産権審査がされているというわけです。
概要説明の「はじめに」として「コカコーラ社『いろはす』のペットボトル」のお話しでした。両手で簡単にしぼれるボトルです。環境問題を解決すべく、容量を小さくし廃棄するための発明品です。この発明品は、特許権、意匠権、商標権を押さえることで、権利侵害を保護しているとのことです。大きな企業が行う知財活動は、中々真似のできるものではありませんが、複数の知財権利を組み合わせること(知財ミックス)での効果を教えていただきました。
次に特許制度の概要です。まず「発明」と「特許」の基本についてですが、特許制度の目的が「発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もって産業の発達に寄与すること」であること、私たちもこの文面は正確に覚えておきたいものです。特許権の取得要件は、「産業上利用できる」「公序良俗に反しない」、「新規性」「進歩性」「先願主義」などがある。特に「進歩性」については、容易にできるものは×(認められない)、ということです。椅子に付いている転がるキャスター(車輪)をまね、机にキャスターを取り付ける。この発明品は「進歩性」において、容易にできると判断されるため拒絶になるというお話しでした。「発明」については、モノの発明と、モノを生産する発明に分かれることや、医療手術や個人的に利用するだけのモノは発明に該当しないとのことでした。
また、特許を受けることのできる人、職務発明についての概要や、出願の流れなどについても、その概要と要点を教えていただきました。
話の中、「少し考えてみよう」コーナーがありました。出願時に配慮することとして、権利範囲が広げること、というお話しです。事例としては鉛筆です。丸い鉛筆を六角鉛筆にする発明をしたとしましょう。権利範囲を広くするには、断面が六角だけでなく、「・・・断面の少なくとも一部が直線である鉛筆・・・」などとしておくとよいとのことです。
特許制度の後に、実用新案制度のお話しもいただきました。技術評価書があること、日本の実績では、特許件数320,000件に対し、実用新案6,500件と少ない事などの説明がありました。意匠制度については、多くの事例をあげていただきました。部分意匠、関連意匠、秘密意匠などの制度もあり、使い方により効果のあることがわかりました。商標制度についても、一宮モーニングという名称も地域団体商標に登録されているなど、実例をあげ、やさしく丁寧にお話しをいただきました。
本来であれば多くの時間を要する知財制度の概要説明です。その内容を、限られた時間に配分いただきました。聞き入ってしまうお話しぶりであり、知財制度知識の重要性を再認識しました。正様、本当にありがとうございました。

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