第711回 日曜発明学校(2018/ 5/13)

5月の午前には、東研の第60回年次総会となりました。お陰様で昨年度も無事に運営でき、また今年度も引き続き、刺激ある、元気な会にしたいと思っていますので、皆さま、よろしくお願い致します。
総会に引き続き、第57回東研発明コンクールも行いました。こちらも、大勢の方からの出品があり、またすばらしいアイデア品もありました。当ホームページの「ようこそ 下段のお知らせ」に掲載しています。ご覧ください。

それら当日の特別講演は、東京理科大学教授の生越由美先生にお願いしました。
タイトルを「新製品に活かす伝統技術と発明の関係を考える。」とし、私たち発明を目指す者にとって、どのように伝統技術を見れば良いのかを教えていただきました。
 
お話の内容としては、まず社会の変化からです。農業社会から工業社会となり、今は知識社会とのことで、それぞれの社会の特徴を教えていただきました。知識社会では「もの」も大切ですが、「こと」を売ることも大切な時代とのことです。ホンダの本田宗一郎氏の「いかにして人間が自由にできる時間を多く獲得するか、これが現代のテーマ」という言葉を引用され、発明の目的がそれであるとの指摘もありました。また、今の高齢化社会到来とともに、福祉用品の発明などには、まだまだその余地が多いとのこと。また社会変化に合わせ、技術面だけでなく文化面も発明に取り入れるとよいとのことです。

発明品にどのような付加価値を付けるかという点で、「日本の伝統技術」がそれになり得るとのお話しでした。伝統技術が付加価値になることを、日本人自身も気づいていないとの指摘です。私たちは、伝統技術、伝統工芸品を見て、なぜ売れ続けているのかを見極める努力をし、その何であるかという部分を発明品に採用することができれば、成功に近づくということです。
近年の政治推移、「あーうー」の大平内閣、「平成」の小渕内閣、「ぶち壊す」の小泉内閣と変わる中、日本文化の大切さについても、多くの取り組みが継続されています。現在では、日本文化には大きな潜在力があり、これからの長寿社会に大いに役立つ知恵が含まれているという方向性とのことです。また、世界的観点からも説明がありました。万博を例に、それぞれの地域の伝統技術のブランド化が如何に重要であるかということです。残念ながら、日本は、そのブランド化がうまくないとのことです。例えば、日本の漆は美術的に優れているだけでなく抗菌作用も活用すべきこと、和紙の斬新な活用法、たたら製鐵の先端技術への適用などは、発明品の付加価値要素となっているとのことです。
私たちも、日本の伝統技術に興味を持ち、発明の観点から勉強をし、自信を持って発明に応用すれば、きっと外国にも強く主張できる商品になりますよ。このメッセージをいただくなど、まさに「目の覚める」ご講演でした。
私たちでもよく理解できる範囲を選択いただき、伝統技術と発明の関係のお話し、本当にありがとうございました。
生越先生には、東研発明コンクールでの審査もいただきました。最後には、コンクールの総評として、「課題を明確にすること」「J-PLAT-PATでよく調べること」「デザインなどで進化させるとアピールしやすい」「説明の際にはポイントを押さえて」「本日の出品の中には、権利化するといいものもありました」「身近な方で使い合い、意見を言い合い、レベルアップを図るとよい」「考え続けること。日本だけでなく、世界がマーケットなのです。仲間でマーケティングしながら進めて下さい」と説明および激励をいただきました。

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