ようこそ

東海発明研究会のホームページへようこそ。
毎月第二日曜日に、名駅近くの会場で日曜発明学校を開催しています。発明やアイデアに興味のある方が集まっています。
          新規会員歓迎・募集中!!
どなたでも参加できます。

前回の日曜発明学校(2017年10月8日)
 午前中のご講演は、名城大学名誉教授工学博士の杉下潤二様でした。演題を「自然に学ぶ材料開発」として、幅広い知識と多くのご経験に基づく、示唆に富んだお話しをいただきました。
以下、簡単にお話しの内容をご紹介します。
まず、「材料」というものが大変大切なものであり、身近なものであるということを、漢字を例として教えてもらいました。金偏の漢字は141文字ある。草冠は278文字、木偏296文字、一番多いのは糸偏306文字とのことです。植物の偏が圧倒的に多く、普段何気なく使っている「機械」という漢字も金偏ではなく木偏ですよ、もともと木で・・・という分かりやすいお話しです。橋の材料が、木・石から鉄になっているように、従来からあったモノが変化していることや、電化製品など新しく身の回りに現われたモノも、材料進化とともに製作されてきた事を説明いただいたのです。
材料を自然界から眺めてみると、その「強さ」の観点もポイントとのことです。雑草オオバコの茎をつかった相撲、スイカは吊り下げ育てれば茎がしっかりする、オニシバリの隔壁構造は鬼を縛れるほどの強さであること、日立の木(TVコマーシャルで出る大きな木、モンキーポッドと言うそうです)の枝の強さ、それに比べ兼六園の雪吊りをされている木は弱いことなど教えていただきました。その木の強弱は、専門的には「あて材」が発生するか否かとのことです。私の理解したところでは、人の手を入れすぎると自然は弱くなる、という事かと思い聞いておりました。
その後も、専門的なお話しを数多くの事例を取り入れ、ご説明いただきました。孟宗竹は軟鋼に匹敵する強さを持っていること、木材を切った際の中心部分とその周りとの違い、比重が1.28という水に沈んでしまうリグナムバイタという木材が、金属を押しのけ軸受材料として使われていることなど、いずれもその強度と材料としての価値が高いこと、さらに自然界には技術者が参考にすべきことが多く含まれているといった内容です。金属関係では、相性の悪いモノ同志を合わせることで、すばらしい材料に生まれ変わることも教わりました。材料同志が接触し、こすれる際に、すり減ってはいけません。摩耗を少なく摩擦係数を少なくする工夫がモノづくりには必要とのことで、その点で、動物の関節のしくみが本当に素晴らしい事も教えていただきました。
 さらに、「傾斜機能性複合材料」という高度技術のお話しを、スペースシャトルの耐熱タイルの例や、ローマ時代の靴底などの話を入れ、現代の自動車エンジン内では高度なバランスをとった金属複合材料の組み合わせであることを、現物を手で触れさせていただくなどし、説明してもらえました。
 終盤には、材料の自己修復性・自己防衛性のお話しであり、私も今まで全く知りませんでしたが、生物ではない自然のモノにも、もしかすると自己修復性や防衛性があるかもしれない、という先生独自のご見解を伺う事が出来ました。モノにも意志があるということ、私個人的には非常に興味のあるお話しであり、ある種のロマンを感じます。
「人間はいろいろと実現をしてきた。この後も、いろいろな問題・課題が出るだろう。それに対し、パイオニアで進む事が大事であり、必ず課題は解決する。日本はそうあるべきだ。」との締めでした。
 アイデアの直感でモノを考案したとしても、実用的なモノに仕上げるには材料選定があります。その「材料」という世界が奥深く、進化していることを知りました。また、自然界のすばらしさを再確認した時間となりました。杉下先生、すばらしいお話しをいただき、本当にありがとうございました。
※歴史・邪馬台国のお話しなど含め、またの機会が来ましたら、よろしくお願いいたします。